氷河期よしだの転職記

ブラック企業から外資コンサルへ

【1社目編】2004年7月:多重派遣されすぎて雲の上に居るクライアントが霞んで見えないwww

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いつもの面談かと思いきや

2004年7月。

営業さんに連れられ、ネットワーク関連の仕事の面談を受けることになった。

到着したのは自分の会社ではなく、都内の雑居ビルだった。

「また違う子会社か...」

間にいくつもの子会社を介して仕事を紹介されるのは、もはや慣れっこだった。

 

違う子会社の営業さんに引き渡された後、また別のオフィスに連れて行かれた。

とてもキレイなオフィスで、ロビーには熱帯魚の水槽がいくつも置いてあった。

勢いのありそうな会社に見えた。

 

その会社の社員が出迎えてくれて、面談スペースに通してくれた。

会議室ではなく、開けたスペースだった。

 

面談ではCCNAの資格をアピールしまくった。

ネットワークの業務経験が無いので、資格にすがるしかなかったのだ。

そして意外にも、すぐにOKをもらうことができた。

 

その後、俺がまだ入社3ヶ月程度の新卒だったからか、面談先の人が「社会人の心得」みたいなものを説いてきた。

急に説教が始まり、話の展開が読めなかったが、とりあえず聞くしかなかった。

バイトではなくプロとして仕事をすることとか、クライアント先でのお作法とか。

...ん?クライアント先?

 

実はキレイなオフィスの会社は、派遣会社だったのだ。

俺が必死にアピールしていた人は、派遣会社の人だったわけだ。

 

ちょっと整理しよう。

これまでの業務は、以下のルートで紹介されてきた。

クライアント⇒別の子会社⇒○○会社⇒××会社⇒俺

 

今回は仲介先がさらに1社増えたのだ。

クライアント⇒どっかの派遣会社⇒別の子会社⇒○○会社⇒××会社⇒俺

 

間に何社入るんだよ。

ブラックすぎるぜ、四天王。

 

とはいえ文句は言っていられない。

どれだけ多重派遣されようと、今はスキルを身につけることが最優先だ。

3年間は耐え忍んで、転職できるだけの力を手に入れるのだ。

 

いざ、ネットワークの仕事へ

7月某日。

指定された場所には派遣会社の人がいて、お決まりの勤怠管理についての説明を受けた。

そして手書きのタイムカードが渡されたが、実はその前日に、自分の会社の営業さんから2枚のタイムカードを受け取っていたのだ。

タイムカード3枚、これを勤怠締切のタイミングで提出しなければならない。

俺はどの会社のために働いてるんだ?

 

集合場所にはもう1人、男性がいた。

彼も同じクライアントに派遣されるのだという。

 

オフィスまで徒歩で向かっている間に、彼と少し話をした。

彼はネットワークの勉強はしているものの、CCNAは取っていないとのこと。

何回か受けたが、合格できなかったそうだ。

驚いたことに、受験料は会社持ちらしい。

俺は自腹で6万円(3万円x2回)払ったのに。

「同じ仕事をするのに、この待遇の差は何なんだ...」

所属する会社によって待遇が違うのは当たり前だが、複雑な気持ちになった。

 

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オフィスに着き、派遣先の社員さんが出迎えてくれた。

派遣会社の人はそこで帰って行った。

 

オフィスには2/3くらいのスペースにデスクが並んでおり、残り1/3のスペースに工具?のようなものが、ところ狭しと棚に並べられていた。

今までのテスターとは違う雰囲気を感じて、少しワクワクした。

 

さっそく仕事の説明を受けた。

内容を簡単に言うと、ネットワーク機器の修理依頼を受けたら、現場まで行って、故障個所を調べて修理する仕事だ。

機器の異常で特に多いのが「断線」であり、適切な長さのLANケーブルを、現地で即座に作ることが求められるらしい。

LANケーブル作成方法と、修理対応後の疎通確認をする機器の操作方法は、必修科目というわけだ。

 

みなさんはLANケーブルの元を見たことがあるだろうか?

まるでリールにぐるぐる巻かれたホースのように、何十メートルものLANケーブルが巻かれている物体。それがLANケーブルの元だ。

そこから任意の長さを切り取り、ケーブルの外側の薄皮を剥くと、さらに細い先が8本出てくる。

その8本の線を特定の順番に並べて、透明のプラグに挿入して、ホチキスみたいな工具でくっつける。

これを切り取ったケーブルの両端に行えば、立派なLANケーブルのできあがりだ。

(ここを見に来ている人の大半は興味無いと思うので、ケーブルの作り方はこのくらいにしておく。)

 

幸いなことにCCNAで学習済みだったのでLANケーブルの並び順もすぐに覚えられ、疎通確認用の機器の使い方も簡単にマスターすることができた。

派遣先の社員さんも褒めてくれて、とても嬉しかったのを覚えている。

 

ここで、一緒に派遣されてきた彼に目を向けてみよう。

なんとイビキをかいて寝ているではないか。

2メートル先に説明してくれている社員さんがいるのに、目の前で堂々と。

ある意味大物なのかもしれない...

こんな奴よりも自分の方が待遇が低いのかと思うと泣けてきた。

 

とりあえず一通りの作業工程は覚えたので、現場に出ることになった。

社員さんから丁寧に手順を教わりながら作業をこなし、社会人として初めて仕事らしい仕事をすることができたことに感動すら覚えた。

 

真のラスボス登場

順調に仕事をこなし始めて1週間が経った頃、派遣先の社員さんが衝撃的な一言を口にした。

 

社員:「うん、そろそろいいだろう。クライアントの所に行こうか。」

オレ:「...は?」

社員:「あれ?聞いてない?これからウチのクライアントの所に行って、深夜のネットワーク監視業務に就いてもらうんだよ。」

オレ:「???」

社員:「そのためにキミに来てもらったんだから。あ、ちなみにクライアント先で所属会社を聞かれたら、ウチの社員だと答えてね。」

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あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

『おれは派遣に来ていた

 思ったらいつのまにか派遣に来ていた

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…

催眠術だとか超スピードだとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

完全にポルナレフ状態。

少し前まで多重派遣の最高記録だと思っていたが、現実はそれをさらに超えてきた。

ゲームのラスボスを倒したと思ったら、さらに強い真のラスボスが裏に居た、そんな状況を現実で体験した。

ITブラック四天王の恐ろしさの片鱗を味わったぜ...

 

改めて今回の派遣にどれだけの会社が関わっているのか整理しよう。

クライアント(真)⇒クライアント⇒どっかの派遣会社⇒別の子会社⇒○○会社⇒××会社⇒

 

さすがにこれはアウトだろ。

クライアント(真)⇒俺までの距離がありすぎて、霞んで見えないぜ。

俺のようなゴミ社員には、間に5社も噛ませないとネットワークの仕事をさせられないということか。

 

こんなことにイチイチ驚いていたら身が持たない。

真のクライアントがどんな会社か、この目で確かめてやろうじゃないか。

そして、頂くもの(スキル)を頂いたら、とっととブラック企業からオサラバしてやるんだ。

 

人事部長に辞表を叩きつけてやるその日を夢見ながら、真のラスボスが待ち構えているステージに進むのであった...