氷河期よしだの転職記

ブラック企業から外資コンサルへ

【1社目編】2004年4月:体を張ってブラック企業っぷりを味わってみた結果www

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ブラック企業の仕事の振り方

引き続き2004年4月。

 

社会人になって初めて「仕事」をするその日、指定された場所に到着すると仕事を紹介てくれた営業さんと、同期が2人いた。

ちゃんとした同期だ。

いや、ちゃんとした同期って何だよ、って話だが。

親会社だの子会社だの、他のグループ会社だのが出てきたので、ここで整理しておこう。

(以下、稚拙な図で申し訳ない)

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お分かりいただけただろうか。

俺は黄色のところにいる

ITブラック四天王の一角である親会社は、雲の上の存在だ。

アベイラブル部屋で少しだけ一緒になった同期は、別の子会社の社員である。

自分で書いておいてなんだが、わけ分からんな...

 

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とにかく、集合場所には××会社の同期が2人いた。

ひとりじゃない。

その事実が与えてくれる安心感は半端なかった。

 

クライアント先に着く前に、営業さんから勤怠管理について説明を受けた。

衝撃的だったのが、勤務時間を手書きで記入するタイムカードを2枚渡されたことだ。

1枚は自分の会社に提出するため、もう1枚はその営業さんに提出するためのものだ。

なんと、営業さんは違う子会社の社員だったのだ。

 

この事実から想像するに、以下のルートで仕事が回ってきたのではないだろうか?

クライアント⇒別の子会社⇒○○会社⇒××会社⇒俺たち

赤色がタイムカードの提出先だ。

これって二重派遣なんじゃないか...?

というか、俺が就職したのは派遣会社だったのか?

 

これが四天王の実力か...

最初からこれほどハイレベルな仕事の振り方をしてくるとは、恐れ入った。

しかし、四天王の猛攻はこの程度では終わらない。

この後、更なる悪夢を味わうことになるのであった。

 

はじめてのおしごと

綺麗なオフィスビルに着いた。

入館証を渡されて 我々が仕事をするフロアに着くと、派遣先の上司の人が迎えに来てくれて、引き渡された。

ここで営業さんは去っていった。

 

上司から仕事内容の説明を受けた。

その内容とは、

ある機器をテストケース通りに操作して、思い通りの動きをしなかったら報告する。

以上だ。

 

説明を受けたのは、不具合を見つけたら「報告する」ところまでだ。

だが社会人として、不具合解消までやりきるのが当然だと思っていた。

不具合を見つけて、自分の力で解消する、十分スキルが身につきそうな仕事じゃないか。

 

この時の俺はまだ甘かった。

ブラック企業がそんな素晴らしい仕事を回してくれるわけがなかったのだ。

 

さて、そうこうしているうちに仕事が始まった。

一心不乱にテストケースで指示されている操作を試していった。

すると、特定の操作をした時だけ、想定外の画面に遷移する事象を発見した。

操作ミスしたかな?と思って、もう一度試すが、やっぱり変な画面が表示される。

不具合発見!同期の中では一番乗りだった。

 

嬉々として上司に報告した。

「確かに変な画面になるね。ありがとう。じゃあ引き続きテストを続けて。」

 

「・・・は?」

 

そう、仕事内容の説明の通りだ。

我々の仕事は不具合を見つけるまで。

 

解消するのは、派遣先のクライアントの仕事。

不具合を解消するような、レベルの高い仕事をさせていただけるなんて、ブラック企業がそんな経験を積ませてくれるわけないじゃないですか。

何、夢を見ちゃってるの?

そう言われているような気がして、目の前が真っ暗になった。

 

その後は、黙って席に戻りテストを続けた。

こんな仕事でも、何かしらスキルが身につく要素があるはず。

そう思って必死に不具合を探した。

 

来る日も来る日も、ボタンをいじっては不具合を報告する。

虚無

これほどこの言葉が当てはまる仕事も、そう無いだろう。

さすがにこの仕事から役立つスキルを見いだすのは無理だった。

 

退職を意識し始めた頃

同期とは毎日ランチタイムを共にした。

行く店は決まっていた。

280円の牛丼か、ワンコイン500円で食べられる定食屋だ。

ブラック企業の社員が1,000円のランチを食べるなんて想像すらできないことだ。

 

ある日のランチタイム、いつものように同期と牛丼を買って、オフィス近くの広場で食っていた。

ふと、同期の1人が「いつまでこの会社にいる?」と質問してきた。

 

いやいや、まだ新卒で入社して1ヶ月も経ってないぞ。

3年は我慢するつもりだったので、この時点では「転職」の2文字は夢にも思っていなかった。

 

彼は以下のように考えて、悩んでいるそうだ。

・最初にテスターの仕事を振られる社員は、会社から期待されていない

・今後もスキルが身に付かない仕事しか回ってこない

・長い時間いても、無駄に歳を食うだけ

・それであれば、決断は早い方が良い

 

おっしゃる通り。

仮に3年間テスターしか経験しなかったらどうなる?

人に誇れるスキルが1つも無いまま、20台後半になってしまう。

転職しようとしても、今の会社より待遇が下がることはあっても、上がることはないだろう。

 

聞けば、彼は教育学部出身で、もともとは教師になりたかったという。

時は就職氷河期。

教師志望の学生は大勢いたが、非常に狭き門だった。

大半は夢を諦めざるを得なかったのだ。

彼もその1人だ。

 

思い切って会社を辞めて、やっぱり夢を追いかけようか、悩んでいるとのこと。

なるほど、夢、ね...

彼は素晴らしい。

きちんと夢を持って生きている。

 

そこへいくと、俺はどうだ?

将来なりたい職業も想像せずに適当に大学生活を送り、就活の時期が来たら適当に就活し、ギリギリ引っかかったブラック企業に入社し、今はテスターをしている。

救いようが無いクズだ。

 

さらに救いようが無いのが、彼の話を聞いても心のどこかで「一生テスターということは無いんじゃないか?」と思っていたことだ。

なので、彼の話を聞いても何もアクションをしなかった。

 

さすがに一生テスターは困るので、もし次もテスターの仕事が回ってきたら、資格を取って会社にアピールしよう、とは考えた。

アクションには移さなかったが。

 

そんな俺にブラック企業は容赦なく、第二第三の刺客を送り込んでくるのであった...